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2007年12月31日 (月)

犬を「生かす」接し方

犬が問題行動を起すと、それが「過去のトラウマ」からくる
ものではないか、と心配する方が結構いる。ドッグトレーナーでも
心の傷を癒すために・・・という話をする人がいるが、私は犬に
心の傷云々、という考え方はキライなのでしない(キッパリ)

なんだかだんだん実もフタもない話をするようだけど、過去のトラウマ
なんて、誰にだってあるじゃない?もちろん問題行動の原因になるよう
な根深いトラウマを持つ犬もいる。私が保護したフラットコーテットも、
分離不安症という問題行動を2年間見せ続けていて、今でも完全に
消失はしていないので、トラウマが根深い問題行動の原因になること
はあると思う。

でも私は、経験上、

犬の問題行動を持続させるのは過去の経験ではなく、
現在の飼い主の接し方だ

と考えている。犬は人間ほど精神構造が複雑ではないようで、
嫌な経験をしてもそれを上回る安心を与える接し方をすると、
見違えるほど行動問題が早くに解決するのだ。

心の傷を負った犬には、それを上回る愛情(関心)を与え、
犬に自分がどれほど愛情をもっているかを示すことが重要だ!
という考えは、飼い主が一生懸命犬に声をかけ、触ってやり、
いつも犬のことを第一に考えて生活する、というタブーを
犯しやすい。犬は人間と違うルールの世界で生きているので、
犬が安心して生きられる接し方を飼い主が学ぶ必要があると思う。

犬を生かす接し方

は、ひいては飼い主と犬が幸せに暮らす接し方でもあるのだ。

暇でもないのにブログ書いてる私・・・これから年賀状の
最後の仕上げします。
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プロ根性の見せ所

仕事をしていてよく言われるのが、

本で読んでもわからないことをいっぱいお話してもらった!

という、お客様の感激の声。そう、犬のしつけは本やブログを
読んだだけでは解決しないことも多いのである。
最近の飼い主さんはとても勉強熱心な人が多い、しつけ本を
何冊も読んで勉強している方はざらにいる。

巷にはしつけ本が溢れ、「犬のきもち」なんていう、すばらしい
しつけ雑誌もあるから、自分で解決できないのはダメ飼い主?
と、落ち込む人もいるけど、そこがプロとアマチュアの差で
決してダメ飼い主などではないのだ。

飼い主さんは自分の犬しか飼ったことがないので(当たり前・・)
日常生活を観察する機会が自分の犬に限られている。
私達プロは、日々沢山の犬達と接し、問題行動の依頼を受ければ
駆けつけて原因を探り出し、解決方法を自分で考え出し・・・
ということを、何十頭、何百頭とやっているから、経験値がまったく
違うのだ。

経験値が違うと何が一番違うのかというと、その犬の状態が不安から
来るものなのか、興奮からくるものなのか、権勢欲からくるのか、
30~60分ほどカウンセリングすると、だいたい把握できるということだ。

しつけ本やプロの書くブログでは、不安行動にはこう対処したらいい
ですよ、権勢的な行動にはこう対処したらいいですよ、とは書いて
いるが、飼い主さんには自分の犬がどの状態なのか判断できないし、
判断が間違っていることもあるし、自分の判断に自信もないので、
結局は

「しつけ本の通りにはいかない」

という状態になるのだと思う。

私の判断と飼い主の判断が違うことは良くあって、飼い主が
寂しがって犬が吠えていると思っていることが、実は犬は「飼い主を
心配して」吠えている、ということがある。他にも例をあげたらきりがない、
経験値の差は「犬語(語というのは変だけど)理解力レベルの差」
ということになる。

犬は犬語をおしえてはくれないので、ドッグトレーナーは必死になって
犬の行動を観察し、共通項を探し出し、自分なりの解釈と行動学に
秀でた獣医師やドッグトレーナーの意見とあわせて、犬語の勉強を
しなければならない。私が専門学校のドッグトレーナーの講師だったら、
ワンワン吠えて手に負えない犬を、臆病なのか、興奮症なのか、威張って
いるのかを生徒に当てさせる、なんて授業をやってみたい。

先日も家族に突然飛び掛って噛みつく(怪我をする程度ではないが
頻繁で、うっとうしい)という行動を一日に何度も繰り返すワンちゃんの
ご相談で出張訓練に伺ったが、その犬は私に依頼する前に行動療法
専門の獣医師にカウンセリングを受けていた。その獣医師は

この子はとても臆病である

と言ったという。でも自宅に伺ってみるととても堂々とした態度で
出迎え、私達侵入者を落ち着いた態度で観察していて、どう見ても
臆病な犬とは程遠いのである。

確かにテリトリーである我が家を離れると、元気な犬も臆病になるのは
よくある、これが私が出張のトレーニングにこだわる理由でもある。
家で起こっている問題行動は、その犬のテリトリーである家に出向いて
犬を観察することが一番大事だと思っているからだ。このあたり、診察室
だけで犬の様子を判断しなければならない獣医師には、制約があると思う。

でも飼い主の立場になってみたら、犬語を読み違えるというのは、
トレーニング方法やアドバイスに多大な影響を与えるので、最初の
犬の状態の判断は、ものすごく重要なのだ。その時点で読み違えを
されてしまうと、犬も飼い主も混乱状態に陥ってしまうので、私は

最初のカウンセリングの1時間に全神経を集中させて挑んでいる!

といっても過言ではない。幸い犬は人間と違い、他人の前で演技して
自分に不利なことを見せない、といった高度なことはほとんどしない、
特にテリトリー(自分の家)ではしないので、ありのままの姿を見る
ことで、その犬の現在の状態、過去の経緯からくる正確な状態を
見極めるところに、私のプロ根性が大いに燃え上がるのである。


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2007年12月24日 (月)

仮説からアイデアを出す楽しさ

私はかなり文系の人間だ、小学校の頃は何度も担任に

読書感想文コンクールの作文を書きなさい

と言われたし、卒業文集の編集後記を書いたこともある。
小学校のときから今のように素直だったら、ご機嫌取りの感想文など書かず、

「なぜアーネスト・シートンはロボを尊敬して気に入っていたのに、捕まえて
死なせてしまったんでしょう?大人の考えていることはよくわかりません。」

と書いて佳作くらい、もらったかもしれない。

冗談はさておき、高校数学では微分積分、2次関数がさっぱり理解できず、
お粗末な点数を晒していた私だが、実験、検証、推測から考察は好きだった。

たとえば公式があれば、なぜその公式で解けるのか?を考えるのは大好き
なのだ。わかってもわからなくても、仮説を立てて実験するというのは、
とても面白いと思う。

それが今の仕事に役立ったと一番最初に感じたのは、トイレでは絶対に排便
しない、というワンちゃんの相談を受けたときだ。

本来は出張のトレーニングでも対応できるのだが、お住まいが遠方だったのと、
飼い主さんが出産を控えていずれにしても犬を預けたいと思っていたので、
預託でトレーニングをすることになった。

このワンちゃんは、オシッコはトイレで完璧にできる、ということはトイレの場所が
分からなくて失敗しているわけではない。飼い主さんの見ている前では絶対に
排泄(排便)しないのは、排便を失敗するたびに叱られているからだろう。

犬は広い場所で回ったり、歩きながら場所を決めて排便することを好むので、
トイレトレーの狭い空間では排便を好まない犬も多い。もちろんトレーニングで
ちゃんと排便できるようになるけれど、失敗を叱られ続けたことで、排泄場所を
間違うから叱られていると理解できず、

「排便すると叱られる、では隠れてしよう」

という図式が出来てしまったのでは?と推測した。詳しいトレーニング方法は
書かないが(企業秘密!)その推測は当たり、6週間でそのワンちゃんは
トイレで排便ができるようになった。でもトレーニング方法が一筋縄ではいかず、
あの手この手で人の見ているところで排便ができるようになる、それだけで
4週間かかり、トイレトレーで排便できるようになるまで、さらに2週間かかった。

こういう問題は本来は解決に6週間も要さないのだが、ワンちゃんの年齢と
隠れて排便していた時期が長かったので、トレーニングの時間も長くかかって
しまったのだと思う。けれどこのワンちゃんはお家に戻ってからも排尿、排便
ともに完璧だというので、努力のかいはちゃんとあったわけだ。

推測と、結果に結びつけるためのトレーニング方法を考えているときは、

結果を出さなければならない!

というプレッシャーはあるものの、とても楽しい作業であることには違いはない。
いいアイデアが出ないときは、一日中どうしたら上手くいくのか?と考えている
ときもある、そういった「考え中」が楽しいと思えるからこそ、問題行動の解決に
取り組むことを仕事として続けていくことが出来るのかもしれない。

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2007年12月23日 (日)

観察する目

何事によらず、動物を調教したり、トレーニングするという作業は、
ひとえにそれをする人物の観察力と発想力が重要だと思う。

なんでこんな話をするのかと言うと、先日職業訪問で中学生が
ドッグトレーナーとはなんぞや?という質問をいろいろ投げかけ
ていったからである。外で見ているのと、実際その仕事をして
みるのとでは、予想もしないことが重要だったり、必要だったり
するものだと思う。

私はとかく、子供の頃から動物の行動を観察することが楽しくて
しかたがなかった。まだ小学校の近くに牧場があって、電木で
囲われた中に放されていた数頭牛達を、とくに何をすることもなく、
眺めて過ごしていた。

牛の反芻する口の動きが面白く、時折鼻先を舐める舌の動きや、
歩く動作や寝転ぶ姿など、飽きることなく観察していた。
ときどき間違って電木に触れてしまい、ビリッ!!と腕に電気が
走るときの不愉快さも忘れられない(笑)

学校帰りに犬を飼っている家に寄り道しては(何軒もあった)、
なんとかして触ろうと試みたり、なつかせようとやっきになった
ものだ。どの犬も繋がれている犬共通の排他的な態度、つまり
番犬なので、簡単には触らせてくれない。私も犬の雰囲気から、
なんとなく突然触ると噛まれる気配を察して、少しずつ機嫌を
とっていたのだ。

上手くいくことも、いかないこともあったが、そういうことを
繰り返して経験を積むことが面白かった。教えてもらうのでは
なく、自分で試して経験する、結果がどうなるかを楽しむ、
そのためには相手をよく観察するのが一番大事なのだ。

そうして、だんだん犬の動作から、共通する意味を見出して
いったように思う。構ってほしくないときの態度、触るのを
許したときの態度、積極的に遊びたがっている態度、
おびえているときの態度、どの犬も微妙に違っていても、
その根本にある共通の動作は、子供の頃の時間がたっぷり
あった頃の熱心な観察で覚えたのだと思う。

仕事をしていて不思議なのが、なぜその犬が咬むとわかった
のか、自分ではっきりわからないことである。また、咬みそうに
みえても、きっとこの犬は咬まないだろう、と思うことがある。
根拠がないけれど、妙に確信があって、それは子供の頃から
少しずつ積んだ経験値からきているのかもしれない。

不安行動を示している犬も、私には明白でも、他人に説明
しても嬉しいときの動作と、不安な動作の区別がつかない、
と言われることがある。私は犬の不安動作にとても敏感だが、
なぜわかるのか?と聞かれても、言葉で細かく説明できない
ことがある。

だって、どうみても不安そうな行動でしょう?!

と思うのだけど、わからないと言われると困ってしまう。
犬語の(語というのは変だけど)微妙なニュアンスなので、
説明が難しいのだ。
犬のプロと言われる人でもその微妙な違いがわからない
人は沢山いる、そういう人は本にかじりついて勉強する前に
真剣に犬を観察するところからやり直してほしいと思う。

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2007年12月22日 (土)

友達だった犬

ドッグトレーナーを生業としている私ですが、子供の頃から動物は
全般に大好きで、どんな生き物にも興味をもって観察したり、
捕まえたり、飼ったりしていました。

蟻が巣に物を運ぶのが面白くて、学校の休み時間には校庭で
アッチコッチの石をひっくり返したり、蟻の巣穴の入り口を探し、
飽きもせず観察したり、巣を掘って蟻達が驚いて右往左往する
姿をながめて楽しんでいました。

犬に目覚めたのは小学校1年生くらいだったと思います、
今のように愛玩犬を室内で飼っている人はまだ少なく、
日本犬系雑種を外に繋いで飼っている人が大多数でした。

珍しいもの、美しいものには惹かれるもので、とりわけ病院の
院長先生のお家で飼われていたシェトランドシープドッグと、
スーパーの社長さんの玄関先で飼われているアイリッシュ
セッターのところには、毎日のように通ったものです。

シェルティはそっけなくて、私が行っても高いところから
ワンワン吠えてあまりなついてくれませんでしたが、アイリッシュ
のほうはとてもフレンドリーで、私は自分より大きな犬と友達で
あることをたいそう誇らしく思っていました。

ある日、そのアイリッシュセッターが私の手を噛んだことが
ありました。今思うと怪我をすることも無く、きっとじゃれて遊び
のツモリだったのだと思います。でも私はビックリして、その後
少し彼と遊ぶのが怖くなりました。その後も行けば相変わらず
愛想よく迎えてくれる彼を前に、

「あ~もっと犬のことがちゃんとわかれば良いのに」

と思ったのは、今でも強い記憶になって残っています。
そのアイリッシュセッターは本当に美しい犬で、
今でも彼を超えるアイリッシュに私はまだお目にかかって
いません。毛の量、ツヤ、体格、どれもとてもすばらしい犬
でした、こんな犬を自分も持ってみたい!と痛烈に
感じさせられた思い出の犬です。

思うに、私にとって犬は友達であり、一緒に行動をするとき
についてくるもので、抱いたり、愛玩するだけのものでは
ないような気がします。
可愛がりたくないというのではなく、ただ可愛がるだけでは
面白くない、というのが本当のところなのでしょう。


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2007年12月18日 (火)

12月、年末年始のお知らせ

HPのTopページから予定表をご覧いただいてもわかりますが、
本日で年内の出張訓練の新規申し込みは終了しました。
来年1月6日(日)から、新規の出張訓練のお申し込みを受け付け
いたします。

宿泊については、12月26日(火)から1月3日(木)までは満室です、
1月4日(金)からは空きがありますので、お出かけの方はぜひご利用
くださいませ。

1月11日(金)~1月14日(日)までは、訓練、宿泊ともに完全休業
となります。連休中でご不便をおかけするかと思いますが、よろしく
お願いいたします。

***************閑話休題*****************

みなさん、クリスマスケーキはこだわりありますか?
私はとくにこだわるわけではないけれど、フルーツケーキファクトリーの
タルトを思う存分食べてみたい!!!!という欲求にかられます、
でも1ピース400円、ホールで4,000円ですからね~そうそう食べることも
ないんですが・・・

イチゴのタルト、おいしそう!
Ketai_213

大好きなブルーベリーのタルト、死ぬほど食べてみたい!
Ketai_214


タルトはやはり、下のビスキィとカスタードクリームのバランスが
キモだと思うのですが、皆さんはいかがですか?

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2007年12月13日 (木)

ぶり返した話

今までに何度か、他のドッグトレーナーまたは行動療法を行う
獣医師に問題行動の犬についてトレーニングを受けたことのある
飼い主が、問題行動がぶり返したので困っている、と相談を
もちかけてくることがあった。

私は、問題行動が過去に一度その人にトレーニングを受けて
良くなったのなら、もう一度「問題行動がぶり返した」と
相談すべきだと思う。良くなったけど、どうも気に入らない相手
だったというなら話は別だろうけど、問題行動は「経過」が
とても大切なので、カルテやデータを持っているほうが、次の
手を打ちやすいし、問題にも早く対処できると思う。

違う人に依頼したほうがいいのは、「良くならなかった場合」、
または、「同じアドバイザーにかかってだんだん悪化していく
場合」だ。今年は何件か、そういう相談もあって無事解決
できたときには(全件解決!)

「勝った・・・!」

と誇らしく思ってしまう。こういうことは勝ち負けではないだろうけど、
やはりお客様に満足を与え、仕事をりとげ、かつ同業者より能力の
あるところを示せた!という達成感は、何ものにもかえがたい喜び
であるし、仕事のモチベーションにつながっているのだ。

また、ぶり返したときには必ず連絡してほしい、という一言も
忘れないようにしている。というのは、打つ手は一つではない
し、同じように見える問題行動でも違う要因がからんでいる
こともあるので、担当したデータのある私にまず一言相談して
くれればと思うのである。

まだこの仕事を始めたばかりで未熟だった頃に担当した
お客様は、今はどうしているだろう、と思い出すことがある。
特に何回も通って改善の見通しがはっきりしなかったり、
完全に飼い主さんが満足のいく状態でトレーニングを終了
できなかった(と私は思っている)ワンちゃんなどは、
忘れることが出来ずに、何かの拍子にふと頭をよぎる。

今の私だったら、あの子にはこういう方法をとったな~

今の私だったら、あの子にあの方法は取らなかったな~

今の私だったら、もっと上手く説明して納得してもらえたな~

言い出したらきりがない、でもそういう経験が私を育てて
くれたわけだ。初期の頃は回数を通う分、料金も安かった
ので、それほどお客様に大損はさせなかった・・・かな?
というのがせめてもの慰めである。


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2007年12月 5日 (水)

犬を買うより飼うことを考えよう

犬を買ったとき、皆さんは犬を飼う事にどのくらいお金がかかるか、
考えて買ったでしょうか?

あるサイトで、犬種を紹介するとともに、生涯費用として、飼う為に
かかる費用を目安として掲載していて大変感心した憶えがあります。
費用は愛犬にどこまで医療費をかけるのか、(例えば癌などの大病
をした場合など)トリミングが必要な犬種なのか、アレルギーや病気
になりやすい、なりにくいかなどで違いはあると思いますが、

犬は買うよりも飼う費用が膨大である!

ということをよくよく考えてから飼って頂きたいと思うのです。

昔は外で繋いで飼い、残飯を与え、ある日突然死んでも、
「あら、可愛そうに、埋めてあげましょう」
みたいな飼い方をしている人が一般的でした、今でも農家の
番犬などはそういう飼われ方をしているようですが。

でも昨今は最低でも年間の予防接種費用、狂犬病の注射、
ハウスに首輪にリード、室内排泄ならペットシーツ、トイレトレー、
寒がりの犬種であれば季節ごとの服(本当に必要です)、
トリミング犬種ならその費用、旅行に出かけるときは
ホテル代(大型犬は小型犬よりずっとかかります)などなど!
愛犬にかかる生涯の費用は数百万円、とも言われています。

私に仕事の依頼をしてくる人のほとんどは、トレーニングに
費用をかけても愛犬ときちんとした関係を築きたい!と
思っている方たちなので、必要であればドッグフードを変えて
もらったり、トレーニングに適した首輪などを買い換えて
いただくことも容易です。

しかし、ペットホテルを経営している友人などは、アドバイスを
しても犬にそんなにお金をかけていられないわ・・・という人も
沢山いると言っています。それでいて、困った行動や体調が
悪いことを嘆いていたりするそうです。

私自身は、どんなに高額な医療費をかけても、最高の治療を
犬にほどこそう!と思ってはいません。でも、毎日の健康を
維持するためのドッグフードにはお金をかけていますし、運動の
ために必要な首輪やリード類は古くなったら交換します。
他人に迷惑をかけないよう、病気の予防のワクチン接種も
受けさせています。

そういった最低限必要なお金でも、大型犬と中型犬が2頭いれば、
年間10万円の出費です。これにはハウスや食器、リードなどは
含まれていません。病気をしたらあっという間に経費が倍になる
ことも希ではありません。

動物管理センターに収容されているワンちゃんの、今は半数が
純血種のワンちゃんです。一目ぼれして買ったはいいけど、
面倒見切れなくなって・・・というケースではないかと、心が痛みます。
犬は買うよりも飼う方がお金も、労力もかかる生き物なのだ、
ということを重々考えてから飼い始めてほしいと思います。


デュークも小次郎も「無料犬」なのに、飼う費用のかかること・・・
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2007年12月 3日 (月)

多頭飼い、オス、メスの場合

今日ワンちゃんのオスとメスを飼っている飼い主さんから、

オス犬が3日前からずっと興奮し続けて、鼻を鳴らしたり、
吠えたりするので、近所から苦情がきてしまった、どちらか
1頭を預かってもらえないか。

という相談がありました。メスのワンちゃんにヒート(発情)
が来て以来、しばらくはそれほど興奮状態ではなかった
らしいのですが、ヒートがピークに達した10日目に
興奮状態に火がついてしまったようです。

今スクールにヒート中(といってもほとんど終わっている)の
ワンちゃんがいるため、当初はメスのワンちゃんのほうを
お預かりしようと思ってお伺いしたのですが、メスのワンちゃんの
入ったハウスを玄関に出しても、ずーーーーーーーーっと家の中
を探し回って、鼻を鳴らしたり、うろうろうろうろ、焦燥感が
強く現れているのを見て、オスのワンちゃんのほうをお預かり
することに急遽変更しました。

実際テリトリーを離れただけでおとなしくなることが多いですし、
ターゲットになるワンちゃんがいないことも、自分の家を出たほうが
理解しやすいだろうと判断して連れてきました。
到着後1~2時間は少しだけソワソワしたり、遠吠えらしき声を
出したりしていましたが、今は自分のハウスに入って丸くなり、
グッスリ眠っています。

メス犬にヒート(発情)がきたらオス犬が興奮する、というのは
頭ではわかっていても、実際目の当たりにすると、その衝動の
強さと本能的な行動の激しさに、ビックリしたり、不安を感じる
飼い主さんも少なくありません。
去勢していないオス犬すべてが、激しい行動をとるわけでは
ありませんが、たまたま自分の犬がそうだった場合は、それを
どうしてもあげられない飼い主さんもストレスを感じることになります。

交配を目的としないオス、メスを多頭飼いする場合は、まず
メス犬を避妊手術する、その後オス犬を去勢手術する、というのが
順番としては良いと思っています。というのは、去勢手術をしたオス犬
でも、ヒート中のメス犬には反応を示すことが多いからです。
メスのワンちゃんの手術が間に合わなかった場合、せめてオス犬
のほうを去勢手術すると、最悪吠え続けるとか、興奮しすぎて
エサも食べられない、という状態は防げます。

繁殖を目的としないオスメスの多頭飼いをしている飼い主さんは、
ぜひ参考にしていただけたらと思います。

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犬はどこまでいっても犬じゃないか

この仕事を始めてから、実に沢山のドッグトレーナの著書を読んだ。

犬の飼い方についておおざっぱに書かれた本ではなく、
犬の行動学について書かれた本、犬の問題行動を行動療法で
改善しようという内容の本を数十冊は読んだと思う。

アメリカ、ヨーロッパの獣医師、ドッグトレーナー、行動学者の本
が非常に参考になるのだが、どの人にもその人のスタンスという
ものがはっきりある。そのスタンスが私的に共感できる人もいれば、
どうもそれは・・・という人もいる。そのスタンスの差は、

犬という存在を、その人がどう捉えているかで決まる

のではないかと、私は思う。

犬を「人間より賢い」とか「守り愛してあげる、何よりも大切な存在」
と捉えている人と、「犬は所詮犬なのだから、犬らしく扱ってやるべき」
という人の犬に対するアプローチは、共通点もあるが根本的に違うと、
私は感じている。

私は当然後者で、犬は犬、人間の存在を超えるものではない、
と感じている。これは正しい、間違っているという話ではないので、
誤解しないで欲しい。人間より遥かに崇高な存在だ!と主張
する人が間違っているとは言わないし、現にそういう人は沢山いる。
でも、私は犬はどこまでいっても「犬」なのだ、と考えているし、
その考えが今の仕事をするために、非常に大切だとも思っている。

犬を崇高な存在だと考えたり、与えた愛情に見合う愛情を絶対に
返してくれる生き物だ、と考えてしまうと、そうではない反応を
犬が起したときに冷静になれない、という問題が生じる。

相手は「犬」なのだから、犬にわかるようにこちらの意思を伝えて
あげよう、と考えたほうが精神衛生上ずっと好ましいし、実際に
リーダーシップをとるためには、人間が上位に立って犬の行動の
方向性を考える、ということが大事だと思う。

犬を「犬として扱う」ということは、犬を軽んじるということではない。
こちらが犬の立場になって行動の意味を把握し、どう行動したら
良いのかを示さなければならないのだから、犬に理解できる言葉
(声を出す”言葉”ではない)でこちらの意思を伝える手段を
学ばなければならないのだ。

犬を犬だと認識しないで飼うことは、結果的に問題行動の大きな
原因になる。どんな飼い方をしても問題行動を起さない犬もいるが、
私に犬の起す困った行動で相談を持ちかけてくる人のほとんどは、
飼い主が意識せずに、犬にしてはいけないことをし、しなければ
ならないことをしていない。

私の仕事は飼い主さんの犬に対する行動を改善してもらうことで、
飼い主が変われば犬も劇的に変わる。犬を犬として愛してあげること
こそが、本当に幸せな犬ライフをおくる鍵だと信じてる。

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