モッテコイは教えられるか?
投げたボールを持ってくる、フリスビーをキャッチする、
これは犬の「持来欲」(じらいよく)という本能を利用した遊びであり、
トレーニングなのだが、以前ある飼い主さんに、
「家の犬はまったくボールに興味ないんだけど、ボールをモッテコイ
って教えられないのかい?」と聞かれたことがある。
答えは 「ほとんど不可能」
ボールを追いかけ、咥えて、運ぶ、という一連の動作は犬の
本能的な欲求なので、その欲求のない犬に欲求を植えつける
などという作業は、非常に困難なのだ。
その飼い主さんは「うちの犬はバカなんだ」とがっかりしていたが、
これは犬の知能とは関係ない、単なる欲求のある、なし、の違い。
もしディスクドッグをトレーニングしたいというのなら、もともと持来欲の
強い犬種を選んで飼ってほしい。
これがボールは喜んで咥えるけど、ディスクは咥えない、という犬
ならば、ディスクを咥えさせるのは十分可能である。持来欲の
方向を変えてやればいいので、根気よく犬が喜ぶようにディスクを
咥えるように仕向けていくのだ。
また、追いかけて咥えるが、持ってこない・・・という犬も、
トレーニングをすれば、ちゃんと持ってきて渡すようになる。
子犬の頃に、必ず人間がおもちゃの取り合いで勝たなければ
ならない、という厳格なルールで遊ぶと、なかなか咥えたものを
そばに持ってこない犬になってしまう。
「人間の近くに寄ったら大事なものを取られる」
という悪いイメージを植えつけないよう、遊び方に工夫が必要
になってくる。強く咥えてなかなか放そうとしないワンちゃんは、
持来欲の強い、とれても良いトレーニングの性質を持っているので、
飼い主さんは喜ぶべきだと思う。
以前、小次郎がディスクを咥えない、という話を書いたが、
実はトレーニングする間もなく、デュークがディスクキャッチを
するのを追いかけて、ディスクを取り合い、奪い取って走り回る
ようになった。デュークが超大喜びでディスクを追いかけ、
キャッチするので、大変良いものだという印象を受けたのかも
しれない。
これが、私が一対一で咥えることを教えようと思ったら、臆病な犬
なので、とても気を使いながら教えることになっただろう、
牧羊犬や猟犬も、優秀な犬を先生にして一緒に行動させることで、
仕事を覚えさせるというが、まさにそれを目の当たりにしたような
気分だった。
小次郎は持来欲は強いので、一度咥えるとなかなか放そうとしない、
決して怒らず、「おお~~強いなぁ!ヨシヨシ」とおだてながら、
「放せばまたすぐに投げてもらえる」ということを教えている。
後ろ足が弱いので、ジャンプするキャッチを教えるつもりはないが、
ディスクを咥えるようになったのはまた一歩前進だなぁ、と
一人私はご満悦なのである。
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