問題行動犬を扱ってきて思うこと
先日、家族を咬むというボーダーコリーのワンちゃんから、
トレーニングについてお問い合わせがあった。
もうすでに家族が頻繁に咬まれており、他のドッグトレーナーにも
数回依頼しているという。
最初のトレーナーは犬に触ることも、何をするでもなく帰り
(料金はちゃんと請求された)、次に来たトレーナーは
犬の首にショックをかけた途端に袖口を咬まれ、
「この犬は処分したほうがいい」と言ったそうだ。
話を伺っていると、かなり難しい犬なのは間違いないと感じた。
生来の神経質さと、生育の過程で過敏性を強化することが重なった
のだろうか。もし私が手がけるなら、薬物療法も視野に入れた
トレーニングになるだろう。
今年の話だが、咬むウェルシュコーギーのご相談があった。
首輪を外すために犬に触れることができない、というので、
ご自宅にお伺いした。
私の前に依頼した別のドッグトレーナーは、2回の訪問のうち、
一度も犬のリードすら手に取る事なく、ただ犬を見て
「口輪を装着できるようになったらトレーニングします」
と帰っていったらしい。
このワンちゃんは突然の攻撃行動の出現だったので、
まず病院で身体検査を受けるように(どこか異常がないか)と
お願いしたら、緑内障であることがわかった。
犬に聞くわけにいかないが、緑内障は眼圧が上がって
痛みがあるらしい。痛みは犬を攻撃的にするので、治療を進める
実際の方法と、生活での犬への刺激を最低限に抑えることを
アドバイスした。
当然、権勢症候群などではないので、そういったトレーニングは
一切していない。
攻撃的な犬を扱うのはとても難しく、危険なことだが、
「見てるだけ~」で料金請求
というのは、いかがなものだろう?
まあ、咬む犬のトレーニング方法なんて、誰も教えてくれないから、
訓練士は自分独自の経験と考えでトレーニングに挑んでいる。
ここ数年は犬の行動学から攻撃行動や問題行動に対する
アプローチ方法が、多方面から入手できるようになったので、
そういった勉強は欠かせない。
いずれにしても、自分が手を出せない、自分には無理!
と感じた症例に対しては、正直に
「私にはできません」「私はしません」
と言って断るのが、報酬をもらって仕事をする者の誠意
じゃないだろうか?
頑張ったけどだめだった、ということもあるかもしれないが・・・
以前、10歳の咬む柴犬を預かったとき、何軒もの訓練所で
トレーニングを依頼したが断られた、と飼い主さんが
話してくれた。
改善の余地があるかわからないものに時間を費やしたくない、
身の危険を犯したくない、ということは、最初に断るのもアリかもな~
とは思う。前にも書いたが、ドッグトレーナーこそ、
おいそれと咬まれて怪我をするわけにはいかないからだ。
私も勇気があるから攻撃的な犬を扱える!というわけじゃない、
怪我をすることもないわけじゃないけど、本当に愛犬と良い関係を
築きたい!とがんばっている飼い主さんの気持ちに応えたいから、
今日までがんばってこられたのだと思う。
そうやって頑張ったかいあったのか、今ではだんだん咬む犬にも、
パターンがあることがわかってきた。
扱うこちらも余裕がでてきて、「ああ、これはあの子と似た犬だな」
なんて、冷静に分析していたりする。
そんな余裕がなかった数年前は、攻撃的な犬の預託訓練が重なった
ときには、家族(私の)からのクレームも出た。
「そばで見ているほうの神経がもたない」
と、体は太いくせに神経の細い母がこぼしたのだ。
私も神経を張り詰めるが、見たくなくても見ざるをえない
トレーニング風景のそばにいる家族は、かなり心労があるらしい。
試行錯誤し、悩み、考え、大変だ大変だといいながらも、
攻撃的なワンちゃんを扱い続けて5年になるが、この仕事は
一生懸命やったことが、いつの間にかエキスパートになるようで、
攻撃行動の犬に関してはかなりスキルアップしたと思う。
まだまだこれからですけど・・・ね!
気持ちも新たに、頑張っていきます![]()
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